総合商研株式会社

第52期 決算説明会【書き起こし】

開催日:2023年9月20日(水)

登壇者:代表取締役社長 小林 直弘

皆様、本日はご多用の中お越しいただきありがとうございます。代表取締役社長の小林です。本日は第52期の決算の説明と、今後15年先を見据えた長期ビジョンを策定しておりますので、その内容についてご説明したいと思います。

第52期連結業績ハイライト

第52期連結決算の業績のハイライトになりますが、過日報告の通りにはなりますが、売上高が158億円、営業利益が2億円、経常利益が2億9,500万円と、増収増益という形で終了しております。

主力の年賀事業に関しては、需要減というところはあったものの、その分価格転嫁をさせていただいたり、資材の受注や付帯業務、コールセンター、入力業務等々で売上が上がったということもあって、売上利益ともプラスで終わっております。

商業印刷の方も、コロナ前の状況には戻っておりませんが、ウィズコロナというところで回復基調にあり、我々の主力のクライアント様でありますスーパーなどの販促活動が活発になっておりますので、そういった部分で売上が堅調に推移したというところです。営業活動なども積極的に行っていまして、新しいクライアント様の獲得というところもプラスの要素になっております。生産コストが高騰している状況ではありますが、価格転嫁をさせていただいたり、委託業務の内製化を進めたりしたことでこのような結果になっております。

業績の推移については、第49期はコロナの影響を非常に大きく受けましたが、それ以降は徐々にではありますが売上の方も回復してきておりますので、53期においても同様の傾向で進むものと見込まれております。

トピックス

続いて、トピックスとして、第52期に新たに始めた取組みを4点ご紹介させていただきます。

1点目ですが、かねてから業務提携をしております小松グループ株式会社、株式会社アスコンとの3社の合意のもとで、共創プロジェクトを立ち上げて活動を進めています。

営業のコンテンツの共有ですとか、お客様の共有、あとは生産、制作といった技術面での交流などをしながら活動を進めていっております。3社の経営資源をより有効活用しようというところでこのような取り組みを行っております。

クライアントへのアプローチを共に行うといった取り組みもしておりまして、効果も徐々にではありますけれども出てきております。当社の理念に賛同いただけるところは、この2社に限らず、また同業、業界問わず広げていけたらというところで、こういったプロジェクトを進めてまいりました。今期、第53期においてもこのプロジェクトを継続して進めていく予定です。

2つ目です。札幌市の中心部、狸小路と駅前通りの交差点にある、水族館が入った大型商業施設、moyuk SAPPOROの1階に、「OMOTASE-HONPO」というお店を展開しております。こちらは当社がセレクトした商品の販売のほか、「ふりっぱー」や「JP01」を通じてご縁をいただいたお客様にポップアップストアとして出店いただいております。

当社自らが運営するリアル店舗ということで、テストマーケティングの実践を行ったり、販売促進として我々が普段扱っているチラシやポップですとか、そういったものを試験的に運用することが可能となっております。新たな商材の開発といったところも視野に入れながら運営を行っております。

3点目として、新しく戦略マーケティング部という部署を設立いたしました。これまで行っていたマーケティングの領域からさらに踏み込み、より戦略的に行う部署として立ち上げております。当社は紙からwebまで多岐にわたって販促活動を行っておりますが、実際に一体どのようなものが効果的なのか、また、実際の消費者がどういった視点でものを見ているのかといった情報の収集や分析を行いながら、マーケティングの強化といったところを進めてまいります。

4番目ですけれども、社員教育の一環として、今年に入ってから社内勉強会を毎月一回開催しております。内容に関しましては、外部から講師を招いたり、課長職ぐらいの社員が講師になったりして、今興味のある内容ですとか知っておく必要のあるトピックをピックアップしております。課長職が講師ということもあって、社員とのコミュニケーションの場としてもかなり有効なものになっていくと思います。組織の風通しを良くしながら、社員が自から勉強する気になるようなきっかけや環境づくりといったところを推進してまいります。

連結業績予想

続きまして、第53期通期の見通しになります。売上で162億円、経常利益で3億1,000万円、営業利益2億1,000万円という形で計画をしております。新規クライアントの獲得が見えておりますので、十分達成できるものと考えております。利益については、引き続き業務委託の削減など、コスト面の圧縮をしながら確保してまいりたいと思います。

長期ビジョン

ここから、長期ビジョンのご説明になります。資料には記載がないですが、これはこの先15年を見越して策定したものになります。内容に関してご説明をいたします。

事業環境

はじめに我々を取り巻く事業環境ですが、デジタル化が進み、あふれるほどの情報が皆様の手元に届く状況で、その延長として個人の価値観が大きく変わってきていて、マス媒体の効果がなかなか見えなくなってきている状況なのかと思います。

また、当社の主力事業である年賀状に関しては、発行枚数の減少がずっと続いている状況です。そして、最も大きな課題として、人口減少の問題があります。今後の15年を考えると、この人口減少が経済や社会に与える影響はかなり大きいのではないかと思っております。地方の都市においてはさらに高齢化が進み、都市部への人口集中が進行した結果、都市部と地方の格差も広がると考えられます。また、環境問題に対する社会的関心の高まりというのも非常に大きくあります。

基本方針

このような事業環境の中での当社の方針としては、まず当社の企業理念、ここは変わりません。基本的な価値観、社員に対する価値観、事業に対する価値観。この3つを改めて大事にしながら、社会課題の課題解決を通じて新しい価値の創出をするというところが、当社が今後15年で取り組んでいくところになります。

この企業理念を基に、今までは印刷を中心とした販売促進支援を中心に行ってきましたが、そこからさらに一歩進んで、総合商研は新しい価値の創出を行うクリエイティブカンパニーとして歩き始めております。

事業領域

事業領域としましては、販売促進支援の延長として、企業や自治体のコンサルティングもその領域に入ってきますし、また、チラシの制作・印刷関連は消費活動の基盤形成といったところに位置づけられる形になります。さらに、年間の生活催事やエンターテインメントといった非日常生活の演出も行っていきます。また、引き続き年賀状事業の維持・拡大に取り組みながら、事業が環境に与える影響に関してもしっかりと対応してまいります。

戦略

今後の戦略としては、事業戦略と人事・組織戦略に大別されます。そして事業戦略には4つの成長軸というものを設定しております。詳細は次のページ以降でご説明いたしますが、それらの軸をもとに、既存の重点事業を強化し、また新しい領域にチャレンジしていきます。また、人口問題への対応として、エリア別に事業の戦略を立てて進めていきます。

人事・組織戦略については、第一に採用の強化が挙げられます。それに伴って、より女性が活躍できる環境や多様性を認める環境をつくります。また、先ほど社内勉強会について触れましたが、人材教育にも大きく力を入れて取り組んでいきます。

事業戦略4つの成長軸

事業戦略における4つの成長軸として、まず、リアリティの追求というところを掲げています。リアリティがあるからこそ価値があるということを改めて認識して臨んでいきたいと思います。社員向けに話しているところではありますけれども、皆様の携帯電話やスマートフォンにいろいろなメールマガジンが届くと思いますが、恐らくこれを真剣に時間をかけて読むという人はなかなかいないのではないかと思います。それに対して個人でやりとりするようなSNS、皆様LINEなんかを使っているかと思いますけれど、これはしっかり読んでコミュニケーションをとっているのではないかなと思います。メールマガジンとLINEのメッセージ、両方ともデジタルの領域ではありますけれども、その向こうに相手の顔が見えてリアリティがあるかどうかというのが、我々の行動に影響を与える重要なポイントなのかなと思っていまして、そういった意味で、デジタルもアナログもリアリティを追求しながらやっていくというところを一つの軸として設定しています。

2つ目は、現在の販売促進支援にプラスをして、ひとつレベルアップさせて事業を展開していくという点です。今あるものに、別の要素をプラスすることで新しい商材として展開することができると考えております。

3つ目は企業間連携構想というところです。トピックスで説明した3社共創プロジェクトもその一環であります。同業他社との間で短期的な「勝った負けた」を繰り返していても、業界全体が疲弊するだけですし、特に当社は大型の印刷機を持っている会社であるわけですが、印刷業という業界も決して右肩上がりではありません。そういった中で、企業間で協力できる範囲をしっかり広げていきながら、活動を進めていきたいと考えております。

最後は新規事業への投資というところで、デジタル領域に対する投資をさらに強化してまいります。DXやAIを活用したソリューションの開発や、人手が必要な業務に関する自動化の技術開発も必要になってくるかと思います。

また、日本は人口が減少していますけれど、世界に目を向けると人口は増えている状況ですので、今後は海外に向けた活動を強化していきたいと考えております。

当社は、これまでの52期という歴史をたどってみても、新しい投資については常に積極的な企業であったと思っています。そのような土壌がある会社ですので、これからも投資するべき部分にはしっかり投資しながら、既存の事業の強化に取り組んでまいります。

事業戦略~重点既存事業の強化

続いて、事業戦略としまして、重点既存事業を4つ挙げております。商業印刷事業、年賀状事業、フリーペーパー事業、そしてBPO事業になります。商業印刷事業、年賀状事業は当社の主力の事業となっております。フリーペーパー事業については、おそらく札幌では「総合商研」という社名より「ふりっぱー」の方が知名度があるのでは、というほどの媒体を持っておりますので、今後は、広告収入だけではなく、より広範な分野で活用できるような事業に成長させていくというのが重点的な施策となります。

続いて、BPO事業を挙げております。これは、文字入力の業務やコールセンター業務を中心とした年賀状事業から派生した事業になります。これらで培ったノウハウや設備を用いながら、企業や自治体主催の事務局業務にも現在取り組んでおります。大きなところでは、53期の動きになりますけれども、北海道のLPガスに関する補助金の事務局業務を当社で受託しております。今後もこのような業務の需要は高まることが見込まれますので、培ったノウハウを生かして拡大をしてまいります。

事業戦略~新規事業の変化・進化

次は、事業戦略のうち、新規事業になります。1点目はマーケティング機能の強化というところです。先ほどのご説明のとおり、販促活動において重要なマーケティング機能を担う独自の部署として、戦略マーケティング部を新設いたしましたが、今後は営業部署との連携を図りながら、販促活動の提案、情報の収集・分析・管理などに取り組んでまいります。

2点目はコンテンツ制作についてです。今までは二次元の紙ベースでのデザインが主でしたが、サイン事業の拡大によって立体物への印刷が増加しております。加えて、現在3DCGのクリエーションや、モーションキャプチャーを使ってリアルタイムでCGを動かしたりと、デジタル領域でのコンテンツ制作も推し進めております。コンテンツづくりのノウハウは紙がデジタルに置き換わっても変わらない領域だと考えております。こちらをしっかりと社内で形にし、新規事業の一つとして発展させていきたいと思っております。

また、新規事業として、サイネージのメディアやXR、ARに関する研究開発、地方創生支援の一環として自治体と連携した都市のデザインに関する研究開発を進めていきたいと思っています。

製造開発においては、環境対応の商材開発がポイントになります。また、今まではオフセット印刷が中心でしたが、デジタル印刷の領域に挑戦するための研究開発も進めてまいります。

最後に、自動化やAIの分野についてです。当社にはIT部門がありますので、独自の開発を行い、製造工程の効率化などを進めていきます。また、今、マーケティングの分野で注目されているデータサイエンティストといった分野における人材の育成についても、今後行っていきたいと考えております。

事業戦略~エリア別事業戦略

こちらはエリア別の事業戦略になります。首都圏・人口集中地域に関しては、今まで我々が行っていた商業印刷の取組みはもちろん、行政関連の受注強化として北海道や札幌市に対してより積極的にアプローチしていくほか、年賀事業についても人口集中地域に特化して展開していきたいと思っております。また、フリーペーパーなど自社媒体の強化にも取り組んでまいります。

一方、地方中核都市ですとか人口減少地域に関しては、その自治体に向けた地方創生支援を強化していくのが今後のメインになってくると思われます。当社が発行しておりますフリーマガジン「JP01」は自治体に対して非常に強いブランド力がありますので、これを活用しながら地方都市に対してアプローチしていくことが重要と考えております。

地域の物産の開発や6次化のサポートなども事業として推進し、たとえば当社の関連会社である味香り戦略研究所と連携しながらソリューションをつくっていこうと考えております。また、地方自治体のDXのサポートについても、実際に自治体の方からお困りの声をいただいております。そういった領域も当社の事業領域として取り組んでまいります。

続いて海外事業については、東南アジアでの事業を計画しており、今般、ベトナムでBPO事業を展開している企業に対して、持分の譲り受けという形で出資をしております。まずはBPO事業に関する事業連携の基礎を構築するというのが大きなポイントだと考えております。また、コンテンツ制作・CGの作成については吸収するべき点も多く、IT分野についても人材が豊富ですので、その点はしっかりとコラボレーションしながら事業を進めていきます。また、魅力的な北海道の産品を海外に輸出していくような事業にも着手していきたいと考えております。

人事・組織戦略

最後に、人事・組織戦略というところで、社員が継続的にレベルアップを図れる組織を目指します。役職ベースの給与体系とは別にキャリアごとの給与体系をつくり、社員が自分の将来を描きやすい環境にしていきたいと思っております。また、特殊なキャリアを持つ人材や、より高い経験値を持った方、さらには海外人材を含めたハイスキル人材の採用も積極的に行っていこうと考えております。あとは、女性活躍・多様性推進の一環として、自分の生活やライフスタイルに合わせた仕事をするための環境整備を進めてまいります。

人材教育に関しては、我々がやろうとしている事業にしっかり参画できるような人材をいかに育てられるかという点が最も重要なポイントだと考えております。ここに関しては、今後より一層力を入れて取り組んでまいります。

以上が長期ビジョンになります。今後15年間は、今ご説明したところをポイントにしながら展開していこうと考えております。また、長期ビジョンをもう少しブレイクダウンした形で、3年から5年ぐらいの中期計画を作成したいと思っております。

参考資料

以降参考資料となっておりますので、ご参照いただけたらと思います。

第52期 決算説明会資料(2 MB)

私からの説明は以上となります。引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。