のぼりの特徴と効果的な使い方

のぼりの姿に見る歴史

街を歩けば必ず目にする、縦長の旗状広告“のぼり”は、とてつもなく長い歴史を持つ宣伝広告形態です。のぼりは、平安時代以降の武士が自軍の規模を誇示した「流れ旗」を起源に、その後は敵味方の区別をつけやすい「幟(のぼり)」が発案され、これが戦国の世から近代まで軍用として利用されました。

逆L字型の旗竿に、布製の乳(ちち)で旗部分を留める造りが基本で、風にはためいて遠方からでも目立つ形状、色や文字の視認性の高さなどから、当初から絶大な告知効果があったと想像できます。

様式を踏襲しつつ機能性をアップ

現代では広告資材として重宝されているのぼりは、昔ながらの逆L字型の竿を、数点の乳に通して旗布を固定するスタイルが一般的です。既製品としては、竿部分は表面塗装処理を施した金属パイプや合成樹脂、旗布は耐候性を考慮して合成繊維が主流となっています。
また、無人環境での使用を前提としているので、台座に固定する方式が基本です。

アナログ広告の底力

デジタル全盛のような現代でも、のぼりは様々なシーンで活用されています。大相撲の興行会場や歌舞伎の上演劇場、スーパーマーケットや商店、中古車販売店の売り出し案内、神社での行事告知、選挙運動での街頭宣伝活動、イベント・キャンペーン告知、デモ行進、駅伝…日常において、のぼりを見ない日はないと言ってよいでしょう。
機能性はもとより、本来が縦書きである日本語となじみやすい形状であることも、のぼりが今日まで廃れずに受け継がれた理由の一つに違いありません。

少ない予算でも気軽に作れて、場所を取らずによく目立つのぼりは、集客の導線づくりにも役立つアナログ広告の王道媒体です。